近年、飲食店やホテルなどの予約制サービスで広く導入されている「事前決済」。無断キャンセル防止や会計業務の効率化、インバウンド需要の取り込みなどに効果を発揮し、注目を集めています。今回は事前決済の魅力や導入ポイントについて、わかりやすく解説します。
事前決済とは
事前決済とは、商品やサービスの代金を事前に支払うことを意味します。この支払い方法は、特にオンラインショッピングやサブスクリプションサービスの普及、さらにはインバウンド需要の増加に伴い急速に広まっています。事前決済は、店舗と顧客の両方に多くのメリットをもたらすシステムです。
事前決済のメリット
事前決済には、以下のような多くのメリットがあります。
無断キャンセル対策
事前決済を導入することで、顧客は予約時に、クレジットカードなどで料金を前払いします。キャンセルが発生した場合、キャンセルポリシーに沿ったキャンセル料の徴収がスムーズに行えます。その結果、顧客は無責任な予約をしなくなり、店舗は損失を防ぐことができます。
業務効率化
支払いが事前に完了しているため、来店時の会計業務が不要になります。これにより、顧客は会計処理の待ち時間がなくなり、顧客満足度が向上します。さらに、スタッフもレジ打ちなどの会計業務から解放され、顧客サービスに専念できるようになります。
顧客情報の管理
顧客の支払い情報や予約履歴をデータベース化することで、顧客分析やマーケティング活動に活用できます。これにより、個々の顧客に対するサービス向上やターゲットを絞ったプロモーションが可能になります。
インバウンド需要の取り込み
海外ではキャッシュレス決済が一般的であり、現金を持ち歩くことに不安を感じる方も少なくありません。事前決済を導入することで、海外からの顧客も安心して予約できるようになり、インバウンド需要を効果的に取り込むことができます。
このように事前決済の導入は、店舗の運営効率を高めるだけでなく、顧客満足度の向上にも寄与します。これにより、リピーターの獲得や新規顧客の増加も期待することができるでしょう。
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事前決済のデメリット
事前決済には多くのメリットがありますが、デメリットもいくつか存在します。以下にその主なデメリットを挙げます。
顧客離脱の可能性
顧客の中には、クレジットカードを持っていない人や、電子マネーの使用に抵抗を感じる人が一定数存在します。こうした顧客を逃さないためには、現金での支払い方法も併せて用意しておくことが重要です。
システム導入・運用コスト
事前決済システムを自力で開発するには、多くのコストや技術が必要です。そのため、一般的には事前決済システムと決済代行サービスを合わせて活用しますが、契約するシステムや代行サービス会社によっては、初期費用や月額利用料が発生します。また、クレジットカード会社や電子マネーの使用には平均して3~5%の決済手数料がかかるため、コスト面の考慮が必要です。
セキュリティ対策
クレジットカード情報の漏洩は、甚大な被害を引き起こします。そのため、セキュリティ対策が堅牢な決済代行サービスを選ぶことが不可欠です。適切なセキュリティ対策を講じないと、顧客の信頼を失い、ビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのデメリットを理解し、対策を講じることで、事前決済の導入をより効果的に進めることができます。事前決済の導入には慎重な検討と準備が必要ですが、適切に導入を進めることで多くのメリットを享受できます。
前決済導入の効果を得られやすい業種
予約率が高い業種では、無断キャンセルが比例して多くなりがちです。そのため、事前決済の導入が特に効果的です。以下の業種は、事前決済の恩恵を大きく受けることができます。
飲食店
無断キャンセルが最も多い業種として知られているのが飲食業です。総務省が調べた2018年のレポート※によると、その損害は年間2000億円以上にもなるそうです。事前決済機能を導入することで、無断キャンセルを防ぎ、キャンセル料の回収もスムーズに行えるため、おすすめです。
※経済産業省「No Show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」(2018年11月1日発表)
参照:無断キャンセルが引き起こす負のスパイラル | 経済産業省 METI Journal ONLINE
宿泊施設
宿泊施設で事前決済を導入することができれば、チェックアウトの際の会計待ちが改善され顧客の満足度が向上します。
また、スタッフも会計業務が軽減されれば、他のサービスに注力でき業務効率もアップすることができます。
サロン
多くのサロンでは、スタッフ(美容師など技術者)が会計(レジ打ち)業務も行う必要がありますが、忙しいサロンワークの中で会計作業は大きな負担になります。事前決済機能を導入することで、会計業務がなくなり、スタッフはサロン業務に集中することができます。
フォトスタジオ
フォトスタジオの需要として、顧客がフォトアルバムなどの商品購入ではなく、撮影写真データを購入することが増えています。
この場合、フォトアルバムなどの商品の制作や発注などの業務がなくなり、店舗では、衣装の着付け、メイク、撮影が行われます。そうすることで、撮影プラン料金を一律に設定が可能となり、更に予約時に事前決済することで、店舗でのレジ会計業務が軽減されます。
この他の業種でも、事前決済の導入によって無断キャンセルの防止や業務効率の向上、顧客満足度の改善といった多くのメリットが期待できます。特に予約が多い業種では、事前決済の導入がビジネスの安定と成長の鍵となるでしょう。
事前決済を導入する際のポイント
事前決済を導入するには、適切なシステムを選び、準備を整えることが重要です。以下のポイントを参考にしてください。
事前決済システムの選び方
店舗に合った事前決済システムを選ぶには、以下の点に注意しましょう。
対応する決済方法
決済方法は多岐にわたりますが、顧客層によって利用しやすい決済方法は異なります。
株式会社ジェーシービーが行った調査によると、クレジットカードの利用率は82%と高い水準にあることがわかります。
参照:【キャッシュレスに関する総合調査】 – 2023年度版 調査結果レポート
ただし、10~20代の若年層を中心にクレジットカードを保有していない層もいるため、クレジットカード以外の支払い方法にも対応している事前決済システムを選ぶのがよいでしょう。
利用料金
事前決済システム利用料や決済代行サービス会社の初期費用や月額利用料、クレジット会社の決済手数料などのコストが事業に見合っているかを確認し、予算内で利用できるシステムを選びましょう。
機能
キャンセル発生時の返金処理や分割払い、定期支払いなど、店舗ニーズに合った機能が備わっているかを確認します。
また、クレジットカードの不正を防止する機能があると、リスク軽減になります。
使いやすさ
システムのインターフェースが直感的で使いやすいかを確認しましょう。導入後の運用がスムーズになるよう、操作性にも注目します。
サポート体制
問題が発生した際に迅速に対応してくれるサポート体制が整っているかを確認します。24時間対応や日本語サポートがあると安心です。
導入前の事前準備
導入前に下記の項目を準備しておくと導入がスムーズに行えます。
キャンセルポリシーを明確化
キャンセルポリシーを細かく設定し、顧客に提示しておくことで、キャンセル発生時の顧客とのトラブルを未然に防ぐことができます。
顧客サポート体制を充実
顧客が困ったときに対応できるよう、自社サイトにFAQの作成をしたり、電話や店頭でのサポート体制の整備を行いましょう。これにより顧客満足度を高めることができます。
スタッフ教育
スタッフが事前決済システムを正しく操作できるように、研修を実施します。スタッフがシステムを理解し、顧客対応に自信を持てるようにすることが重要です。
顧客への周知
事前決済の導入について顧客に事前に知らせるために、メールや店頭での案内を行います。顧客が新しいシステムに慣れるよう、わかりやすい説明を提供しましょう。また、事前決済が顧客にとってもメリットがあることを伝えることも重要です。
まとめ
事前決済の導入には、適切なシステム選びと事前準備が不可欠です。対応する決済方法、利用料金、機能、使いやすさ、サポート体制などを考慮し、最適なシステムを選びましょう。
また、キャンセルポリシーの明確化、顧客サポート体制の充実、スタッフ教育、顧客への周知といった準備を行うことで、スムーズな導入と運用が可能となります。これらのポイントを押さえることで、事前決済のメリットを最大限に活用できるでしょう。
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